AI でアプリを作り始めると、Cursor と Claude Code の名前をよく見かけます。どちらも AI にコードを書かせる道具で、Claude のモデルはどちらでも使えます。それでも、触ってみると使い心地はかなり違います。

大まかに言うと、Cursor は AI が入ったエディタで、Claude Code は作業を任せるエージェントです。エンジニアでない人にとっては、この違いが、どちらを選ぶかにそのまま効いてきます。以下は2026年11月時点の公式ドキュメントにもとづいています。料金や画面はよく変わるので、契約する前に公式のページも確かめてください。なお、私はふだん Claude Code を使っているので、その分を割り引いて読んでもらえればと思います。

Cursor は、変更を目で見ながら進める道具

Cursor は、Microsoft の VS Code をもとにしたエディタです。ファイルの一覧、コード、AI との会話が一つの画面に並びます。AI に頼むと、どのファイルのどの行が変わったかが色分けで表示され、変更を受け入れるか戻すかを選べます。

AI との会話には、いくつかのモードがあります。Ask はコードを読んで答えるだけで、ファイルは変えません。Plan はコードを書く前に詳しい計画を出し、Agent に切り替えると実際にファイルを書き換えて作業を進めます。モードは入力欄で Shift+Tab を押して切り替えます。

AI が変えたファイルは、チェックポイントとして手元に記録されます。Git とは別の記録で、うまくいかなかったときは前の状態に戻せます。

エンジニアでない人にとっての良さは、何が起きているかが目に見えることです。コードが読めなくても、どのファイルが変わったか、どこが消えたかは分かります。意味の分からない行があれば、その行について Ask で聞けば、ファイルを変えずに説明だけをもらえます。

Claude Code は、まとまった作業を任せる道具

Claude Code は Anthropic が作っているエージェントです。もとはターミナル(文字を打って操作する黒い画面)で使う道具でした。今はデスクトップのアプリや Web(claude.ai/code)、VS Code や JetBrains の拡張機能、スマートフォンからも使えます。ターミナルに慣れていなくても始められます。

たとえば「予約の画面にキャンセルのボタンを足して。テストも書いて実行して」と頼むと、Claude Code は関係するファイルを自分で探して読み、書き換え、テストを実行して確かめるところまで続けて進めます。途中で許可を求められることはありますが、一行ずつ受け入れていくような使い方ではありません。終わったら、何を変えたかの説明と変更の中身を見て、取り込むかを決めます。

作る前に計画だけを出させる plan モードや、作業を前の時点に戻す /rewind もあります。公開前に確かめておくことは「Claude Code で作ったアプリの公開前チェック」に書きました。

迷ったときの決め方

どちらが優れているかより、自分の作り方に合うかで決めると失敗が少ないと思います。目安を表にしました。

こんなとき向いている道具理由
画面を見ながら、少しずつ直したいCursor変わった所が色で分かり、一つずつ戻せる
まとまった作業を任せて、終わってから結果を見たいClaude Codeファイル探しから確認まで、続けて進める
すでに Claude の有料プランを使っているClaude Code追加の契約なしで使える
Claude、GPT、Gemini を作業ごとに使い分けたいCursor一つの画面でモデルを切り替えられる(Premium 以上)

最初の一つを選ぶなら、コードを読むのが不安な人ほど Cursor から入るほうが、何が起きているかをつかみやすいはずです。慣れてきて、頼む作業が大きくなってきたら Claude Code を試す、という順番をおすすめします。逆に、コードは見なくていいから任せたい、結果だけを確かめたいという人は、最初から Claude Code のデスクトップのアプリや Web で始めても困りません。

料金の仕組みは、2026年に大きく変わった

Cursor は、2026年11月時点で「The X Subscription」の一部として売られています。X(旧 Twitter)、Grok、Cursor を一つの契約で使う形で、プランは Free、Plus、Premium、Super、Ultra などに分かれています。

見落としやすいのは、Claude、GPT、Gemini といった、ほかの会社のモデルの扱いです。Free と Plus ではこれらを使えず、Premium 以上で、モデルの API の定価を前払いのクレジットから払う形になっています。使った分だけクレジットが減るので、大きな作業をまとめて頼むと、思ったより早く減ることがあります。以前の Hobby や Pro などのプランを契約している人は、今の契約のまま使い続けられます。

Claude Code は、Claude の Pro や Max などの有料プランに含まれています。Claude Console を使って、API の従量課金で使うこともできます。

どちらにしても、最初は安いプランで1〜2週間使ってみて、自分の作業でどのくらい使うのかを見てから決めるのが無難です。

両方を使うやり方

どちらか一つに決める必要はありません。Claude Code には Cursor に入れられる拡張機能があり、Cursor の画面で変更を見ながら、まとまった作業だけを Claude Code に任せる、という使い方もできます。

両方使うときに面倒なのが、それぞれに同じ決まりを伝えることです。Cursor は AGENTS.md を読み、Claude Code も CLAUDE.md がなければ AGENTS.md を読みます。決まりを AGENTS.md に一つにまとめておけば、書き直しは一度で済みます。書き方は「Codex に渡す AGENTS.md の書き方」にまとめました。

どちらで作っても、公開する前に確かめる所は変わりません。ほかの人のデータが見えていないか、秘密の鍵が画面側のコードに入っていないか。道具を選ぶより先に、そこだけは押さえておいてください。